フリーの時は全員の視線を集めたもん勝ち
【その2】「パフォーマンス力を磨く」
では続いて第二条をお願いします。
- 柏木
「パフォーマンス力を磨く」ですね。それはダンススキルとか、歌のスキルってより、自分をアピールするとかそういう意味です。
歌が上手いとかダンスが上手いも、もちろん大事だと思うけど、歌が上手いなら歌手でいいし、ダンスが上手いならダンサーでいいじゃないですか。アイドルだったら、自分にしかできない可愛さとか、替えがきかない表現というか。この表情が見たいとか。「この子じゃなきゃいけない」っていう理由があることが大事かなと。顔が可愛いとか、対応がいいって、そんな子はどんどん出てくるじゃないですか。でもパフォーマンスって替えが利かないんですよ。そこを掴んでしまえばファンが離れないんです。
今、AKB48で人気があるのも、やっぱパフォーマンスがいい子だなって思うし、今までの先輩を見てても、選抜総選挙で上位に来る人って、ちゃんとパフォーマンスがいいんですよ。
昔、松井玲奈さん(元SKE48)にインタビューしたことがあって。兼任していた乃木坂46のコンサートに出たときに、「フリー(振りがなく自由)の曲のときに他のメンバーは手を振ってるだけだったんですけど、玲奈さんは指を差したり、ステージのギリギリのところに座ったりしていて、すごいですね」って話をしたんですよ。そしたら「全部柏木さんのマネなんです」って。
- 柏木
えぇ、ほんとですか! 今、「私もやってます」って言おうと思ったんですよ。玲奈ちゃん私を見てたんだ。嬉しい!! でも、フリーの動きの時なんて、全員の視線を集めたもん勝ちというか。
柏木さんって、コンサートで会場を回るトロッコに乗ってる時とかも、誰よりも手数が多いですよね。
- 柏木
ファンがトロッコで何が嬉しいかって、広い会場で唯一近くで見れるタイミングなんですよ。そこで自分のことを見てほしい。だから自分のうちわを見つけたら、指差すとか、うちわに書いてあることをやるとか、まずは見えてるよってことを伝える。
あとは自分のファンじゃない人の目線もやっぱり欲しいってところで、手でハートを作るとか、投げキスとか。あと、私がよくやってたのは、手に何かを書くとか、スケッチブックを用意してて、その場で書いてみせるとか。
そんなことやってたんですか!?
- 柏木
スケッチブックに何か書いてたら、みんな見るじゃないですか。最初はひとりでやってたけど限界が来て、次はさっしー(指原莉乃)に言って、「スケッチブック持っていくから、なんかやろうよ」みたいな。私がまず何か書きます。そのあと、さっしーがカブせて何か書くみたいな。それでドッと盛り上がったり。一度さっしーが「パンツ何色?」って書いて私に見せたんですよ。ファンからしたら、そんなのもうトリコじゃないですか。
アイドル大喜利からのコンビ芸みたいな。
- 柏木
自分がファンだった時に、好きなメンバー同士が仲良くしてるのとか嬉しかったんですよ。逆に片方のメンバーが嫌がってても嬉しいじゃないですか。そういうのをいろいろ考えるんですよね。あとはステージで寝転がるとか、カメラマンを独り占めして、大きなモニターに映るまで動かないとか。そういうのをやってると、好き嫌い関係なく見ちゃうじゃないですか。
すごくタメになる話ですね。ちなみにステージからファンに手を振るときとか、どこらへんを見てるんですか。
- 柏木
基本は顔馴染みの人や自分のファンがいたら、ちょっと身を乗り出すとか、指差してから手を振るとかありますけど。あとはコンサートってステージの足元に立ち位置の番号が書かれてるんですね。
センターが0番で左右に1、2、3って広がってますよね。
- 柏木
3番か4番より外に行った時は、もう前じゃなくて左右を見るようにしてますね。あとは真ん中にいても3列目だったら、2階から上を見るみたいな。やっぱ自分がオタクで、3階席からコンサートを見た時に、上を見てくれたのがすっごい嬉しかったので。これはめちゃくちゃオタク目線ですね(笑)。