AKB48のレジェンド柏木由紀(32)が4月30日にAKB48劇場で行われる公演をもってアイドルを卒業する。幼少時代はモーニング娘。に憧れ、中学3年生でAKB48に加入して以来17年間。
同期の渡辺麻友をはじめとして、前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、大島優子、指原莉乃ら、キラ星と輝くメンバーたちと切磋琢磨してきた。そんな彼女が培ってきたアイドルとしての心構えを五ヶ条にして語ってもらった。ファンはもちろん、現役アイドルや、これからアイドルを目指す人も必見です!
好きな子が悲しんでいる姿を見て嬉しいファンなんていない
今回のインタビューは、柏木さんがアイドルとして歩いてきた道を振りつつ、これまでの長い経験の中で得た、“アイドルとしての五ヶ条”的なものを、すべてのアイドルに残していただきたいと思っています。
- 柏木
確かにそういうものはメッチャあるんですよ。でも、自分から率先してしゃべるというのは違うなと思っていて。今までも後輩から聞かれたら話すことはあったんですけど……、改めてこうやって、しっかりと聞いていただけるのなら、お話しさせていただきたいです!(笑)
ありがとうございます。では、まず第一条はなんでしょうか。
【その1】「いつ見ても元気で明るくて笑顔」
- 柏木
これは本当にシンプルなんですけど「いつ見ても元気で明るくて笑顔」です。でもこれはいちばん最後にたどり着いたみたいなところあるんですよ。というのも最近インタビューで「アイドルって何が大事だと思いますか?」とか、「アイドルとは?」って聞かれるんですよ。そこで思った、自分が譲れないことのひとつですね。
- 柏木
私はずっとアイドルが好きだったんですけど、昔は今みたいに話せるとかなくて、テレビとかで見るしかできなかったじゃないですか。そこで1年に1回のコンサートへ行くために、勉強を頑張るとか、そういうのがあったと思うんです。「見てるだけで元気になれる、何か自分にしてくれなくても、常に見ていたいもの」がアイドルだと思うんです。
なるほど。
- 柏木
今はいろんなSNSがあって、「しんどい」とか「つらい」とかさらけ出すのも、もちろんいいと思うし、それで支えてくれるファンがいるのはわかるけど。個人的には、「私はいつでも元気なので、安心して見てください!」ってことができるのがアイドルかなと思うんです。
「いつテレビで見ても楽しそうだな」「あの子が楽しそうだから、自分も楽しい」とか、元気とか笑顔になれるとか。そういう“いつ見ても太陽みたいな感じ”が私の好きなアイドルですね。
最近、そこにたどり着いたんですね。
- 柏木
アイドルがいっぱい増えて、いろんなジャンルがある中で、そういう子たちに負けないところがないと続けられないなって、この何年か思っていて。年齢とか初々しさって、どうやっても無理だけど、誰よりも頑張って踊るとか、いちばん明るいとか、トークしてる時にめっちゃ元気にしゃべってるとか、いたら笑いが起きるとか、みんなが楽しくなるとか、それは努力次第でどうにかなるかなと。
それは無理しても、空元気でもいいから明るくすべき、ってことですかね?
- 柏木
いや、たまたま私がその性格だったというのもありますけど。選抜総選挙のときとかもずっと思ってました。弱音とか、マイナスなことはあんまり言わないというか。「もう先がないんです……」とか、必死さを出さない。それよりも、「目標を達成できたらこんなことします!」みたいなポジティブなことだけを出すっていう。それは結構大事かな。
とはいっても落ち込む時もありませんか?
- 柏木
でもこっちが頑張っていれば、わざわざ言わなくても気持ちは伝わるというか。私が、そういう感じで前向きってことがファンのみなさんには伝わっているので。今は「あれ大丈夫だった?」とか、「悔しいね」みたいなマイナスなことは、もう誰も言ってこないですね。
ファンは言わずとも気づいてくれてるから。ファンを信じて進め、ってことですね。
- 柏木
そうですね。自分の好きなアイドルが悲しんでいる姿を見て嬉しいファンなんていないじゃないですか。「今日楽しかった!」とか、「嬉しい!」って言ってた方が、ファンは嬉しいから。ポジティブなのはすごい大事だなって。
でもAKB48って、涙をさらけ出してナンボみたいな時代ありましたよね。
- 柏木
だからその時はちょっとしんどかったですね。ドキュメンタリー映画とか、自分語りをしても悩みがないから尺がないし(苦笑)。逆にそれがちょっと悩みでしたけど。でもそれは個性というか、私はそっちじゃないっていう。