こんにちは。ドラマチックレコードのあゆちこと新居歩美です。
第一回のコラムでは皆様の反応がとても嬉しく、活力が湧きました! ありがとうございます。
前回はアイドルと夏をテーマに書かせて頂きましたが、すっかり肌寒くなり最近の私はというと、秋服のコーディネートを生活の楽しみのひとつにして毎日を過ごしております。
サンダルを靴箱にしまい、ブーツやローファーが主役になる時期、お気に入りの一足に出会うことが出来ました。黒のシンプルなショートブーツなのですが、ヒールが12cmほどあり、148cmの私がソイツの力を借りるだけでなんと160cmに変身することができます。
身長が12cm変わるというのはなかなかに新鮮なものです。
例えば電車内。満員電車で立たなければいけないとき、自分より身長が高い人々に囲まれて視界は他人の服以外見えなかったのが、その靴を履いて乗れば私の頭は顔を出し、視界には他人の顔がありました。小柄な女性が乗り込んできたときはつむじも見えました。大人のつむじ、なんだか新鮮で目を思わず逸らしてしまったな。
普段下の角度から覗いているメンバーの顔もその靴で会った日は全然印象を変えていました。同じかそれより上から見るとあんなに可愛いんですね! その子の真の実力はこれだったのか!という気持ちになりました。
160cmのときの私は足も長く、相対的に顔は小さく、スタイルが良く見えてビルのガラスに映る自分をたくさん見てしまいます。気分の良いお出掛けが終わり家に帰って玄関で靴を脱いだときは、大袈裟に言うと魔法が解けてしまったような感覚になりました。
その感覚になるのはきっと、昔から憧れている女性に高身長な方が多く、自分は似ていないということを潜在意識的に再認識しているからなのでしょう。
家族は皆平均以上あるのに私だけ小さく、学生時代はずっと背の小さい順で一番前だったし、小学生のときから周りの同級生とは頭ひとつ分私だけ違いました。小学校2、3年生のときに病院にかかりそこから数年間、成長ホルモンの分泌量を増やす注射を毎晩打って無理矢理背を伸ばして現在の148cmを掴みとりました。その注射がなければ130〜140cmだったと思います。親に感謝だ!!!!!
アイドルになる前はずっと厚底しか履かなかったし自分のスタイルに自信がなく、背がないならせめて細くあろうと無理に痩せようとしたりもしました。身長へのコンプレックスが薄くなっていったのはアイドルオーディション中のSNS審査のとき。友人からの助言で身長を自己紹介に入れてみたところ、めちゃくちゃ反応が良かったんです。
お???????? まじ?????
た、助かる~!!!! 耐えた~!!!! むしろプラスや! これはデカい!!!
そこから私の148という数字はコンプレックスから強みに変わりました。
あらためて、アイドルという職業で私の色々な部分が救われているなあ。
この身長から見る視覚的な視界はいつも人の背中に囲まれていて、見えないものも、視線が届かないものもたくさんあります。ですが脳内的な視界はなるべく広く広くいるようにしています。
人間、既に満足していることにはそれ以上の探索をしたりしないと思うんですけど、私は常に「自分はそれだけで戦えるほどの容姿をしていない、歌も下手、ダンスは足りていない」と自分能力全てにネガティブで悲観的です。
自信がなく常に焦っているからこそ、じゃあどうすればええねん?!と無理矢理視界を広くして活かし方、カバーの仕方、成長するには?と月に数回考える時間があります。ネガティブだから無意識のうちに視界は狭くなり下を向く。強制的に視界を広くしてないとやっていけないんです。
これは貪欲と似ていて、私の「良いネガティブ」は「常にちょっと病んでる自信のない貪欲」と同義だと思っています。
これだけ自己分析が出来ていても、視界を広げた先で新しい課題にぶつかったり、どうしようもなかったりしてしんどくなるときがあります。そういうときは空が自分の好きな表情をしているときに人の少ない道に出て、視覚的な意味での視界も無理矢理広げています。
視覚的な視界は狭くても、脳内的な視界は広く、勝手に狭くなっていく視界を広げる作業を繰り返し、今日も頑張ります!
【今月のあゆち】
PROFILE
新居歩美(ドラマチックレコード)
にい・あゆみ
6月28日生まれ、香川県出身。身長148cm、血液型O型。
ドラマチックレコードの赤色担当。2024年1月、グループ初の全国流通盤をリリース予定。同月より6大都市ツアーを開催予定。
冠ラジオ番組『新居歩美の番台さんラジオ』(FM高松・毎週水曜23:00〜)放送中。
オフィシャルホームページ
https://twitter.com/DMRC_info文・イラスト/新居歩美