留年イジリは去年からずっと続いているので慣れました(笑)
そして二留が決定した今年3月には、その情報がニュースサイトの記事にもなりました。
- 藤宮
父からLINEで「ちゃんとネタにしな!」と言われていたので、そのスクショをSNSに投稿したらニュースにしていただけたから、ある意味願ったり叶ったりではあったんですけど、実際の記事を見たときはやっぱり悲しいようなうれしいような気持ちにはなりました。幼なじみからは「ニュース見たよ」「あれ、もなだよね?」って聞かれるし(笑)。
#ドレミファソラシードメンバーのイジリもなかなかハードでしたよね。二留が決まってへたり込む藤宮さんに、みんなして「もなちゃん、留年?」「留年?」って。
- 藤宮
アイドルの子の留年イジリは、前のグループにいた去年からずっと続いているのでもう慣れました(笑)。昨日もちょっとイバり気味に「明日、個人仕事なんだ」って言ったら「留年のやつでしょ?」ってイジられましたから。
このインタビュー仕事がその「留年のやつ」ですね(笑)。ただ、袴姿のポストのとおり、お父様の助言をもらう前、一留が決まったときから藤宮さん自身、留年をしっかりネタにしていますよね。
- 藤宮
もともとそういう性格ではあったんだと思います。誰かを傷つけるようなことは当然ダメだけど、自分のちょっとヌケてる話なら、ネタや笑いに変えてみんなに楽しんでもらえたほうが私もうれしいですし。
そういう態度がものすごく強くて明るいから、藤宮さんのSNSって見ていて楽しいんですよ。
- 藤宮
ありがとうございます。……あっ! あとマーケティングを5年半学んできたからこそ、留年という肩書きをSNSで運用できているんだと思います。
なんですか? その体のいい言い訳は(笑)。
- 藤宮
いえ、マーケティングの一環なんですっ!
でも本当に「留年アイドル」という肩書きも捨てたものじゃないですね。みんなに笑顔になってもらいたいという生来の資質を発揮できる機会を与えてくれたわけだから。
- 藤宮
本当にそうですね。大学で商品を売るためのプロセスを勉強しながら、「アイドル・藤宮もな」という商品についても考えていて、そのときひらめいたテーマが「不完全」や「未完成」。完璧主義のようで、実はちょっとヌケがあってとっつきやすいアイドルを目指していたので、悪い意味ではなく、本当に留年はおいしかったというか。ちょっとだけですけどそういう人になれたかな、と思っています。
ただ、藤宮さんはもう「留年アイドル」じゃありません。
- 藤宮
それなんですよねえ……。#ドレミファソラシードはまだ新しいグループで、私が一番アイドル歴が長い上に、「留年した子」って認識されていることもあって、私を入り口というか、きっかけにライブを観に来てくれる人もけっこう多くて。だから、これから留年以外の新しい入り口を探さなきゃいけないんです。
新社会人になって早々大変なミッションが課せられましたね。
- 藤宮
えっ!? 私、新社会人なんですか?
だって前期卒業したんですよね?
- 藤宮
たしかに北海道でのライブとカブったから私は出られなかったけど、このあいだ前期で単位を取りきった人のための卒業式っぽいイベントがあって、そこで学位記をもらえたらしいし、そうか、もう卒業しちゃってるのか。
新社会人として、今度どのようなアイドル、グループを目指しましょう?
- 藤宮
社会人になったとはいえ私自身も、それからグループもまだ「不完全」で「未完成」。完璧に踊れます・歌えますというグループではないんだけど、逆にそれを強みにしていけるようになりたいですね。グループ名の「シード(=種)」には、みんなでアイドルの種を育てていこうという意味が込められているので、メンバー全員の成長の過程をファンの人に応援してもらいながら、人間としてもグループとしても大きく素敵になれたらいいな、と思ってます。
ご自身の課題とグループの課題、そしてグループ名を重ね合わせてきちんと目標を設定してみたり、本当にちゃんとしてますよね。
- 藤宮
なのに、なぜか2回も留年しちゃったんですよねえ……。
あと、現役大学生や来年に受験を控えた高校3年生にメッセージってあったりします?
- 藤宮
うーん……。「こんなふうになっちゃダメだよ」? (笑)
PROFILE
藤宮もな
ふじみや・もな
5月4日生まれ。2018年からアイドル活動を開始し、いくつかのグループのメンバーを務め、2023年1月から#ドレミファソラシードの一員として活動する。担当カラーはブルー。
またアイドル活動開始の年に青山学院大学に入学し、マーケティングを学ぶも、2022年3月、2023年3月と2度にわたって留年。卒業が決定した今夏まで「留年アイドル」を名乗り、アイドルシーン内外をざわつかせた。
取材・文/成松 哲 撮影/平野 司