私がやるべきはキレイに卒業すること
おとはさんはあくまでフィロソフィーのダンスの“未来”を見ていたと。
- マリリ
私だったらさ、もし自分が辞めるとして、新メンバーになる可能性がある子を目の前にしたらちょっとモヤモヤするというか。想像したら寂しい気持ちになったのよ。だから選んでる最中、もしかしたら私たちのほうが寂しさを感じてたのかもしれないね。「この子たちが合格して入ってくるとき、おとははもういないんだ」みたいなことを思った。
- おとは
入ってくる子を選んで、誰が入ってくるのか決まって。卒業まであと残り何日っていうのは思うようにはなったよ。一日一日を大切に生きなきゃとか、ライブができなくなる寂しさは出てきた。でも本当に「売れてほしい」って気持ちが強くて。「私の屍を超えていってほしい」ばかりなのよ(笑)。
- マリリ
変なのぉ……。
- おとは
もうすでに、自分の中で自分が“屍枠”なんですよね。私はもともと人と自分を比べることがなくて、誰かを「すごいな」って思うことはあっても、比較してどうってことにはならないから。私は7年間やりきったし、新メンバーは純粋に魅力的であってほしいっていう。新メンバーも含めて、全員で私の屍を踏んでいってほしいんです。
「超えていけ」ではなく「踏んでいけ」なんですか?
- おとは
踏んで、跳んでほしい(笑)。新メンバーは大変だと思うんですよね。私は卒業することで神格化じゃないけど、「おとはすのほうがよかった」って言う人が絶対出てくると思うんです。それに負けないような意味も込めて踏み潰してほしい。
- マリリ
まぁね。おとははおとはで、新メンバーは新メンバーで。おとはと新メンバーを比べるのは「おとはを舐めんなよ」って思うし、新メンバーと過去を比べるのは「比べてもしょうがないじゃん」って思うし。おとはが卒業する覚悟と、新メンバーがオーディションを受けた覚悟を馬鹿にするなよって。 ……とは思うけど、ドライすぎるだろぉ!
- おとは
はい、ドライですよ(笑)。
- マリリ
でも特典会でさ、めっちゃ笑ったことがあって。隣のレーンがおとはで、ファンの人が泣いちゃってる目の前でおとはが「あはははは!」って笑ってて。そこで一緒に泣くのがおとはの美学じゃないのもわかってるんだけど、「マジかよ」って思った(笑)。
- おとは
たしかに寄り添う気持ちも大切なんだけど、自分が出した結論として卒業する張本人がメソメソしてるのって、意味わかんないじゃん? 寂しいは寂しいけど、それを本人が見せたら「じゃあ辞めるなよ」ってなるし。
だから私がやるべきことは、キレイに卒業して、「この人を推しててよかった」って思ってもらえるように頑張ることだなって思って。
感情を殺すわけではなくとも、それを貫こうとする美学と意志がすごく強いですね。
- マリリ
すごいんですよ。だからそれを崩したいんですよ。
- おとは
ふふ。崩れないですよぉ(笑)。