ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。
2026年8月火曜を担当するのは、ウイバナ webana.の咲季。(サキマル)!
コラムは今月4日、11日、18日、25日の全4回配信。
第1回は、“二足の草鞋”の道を進む彼女の「忘れられない言葉」のお話し!
なお、火〜金曜それぞれ初週はガラスガールNEXTに未加入の読者も閲覧可能。このコラムが気になったら、来週以降はぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を。
この言葉は、一生忘れないと思います
はじめまして。アイドルグループ『ウイバナ webana.』で活動している、咲季。(サキマル)です。
このたび、ガラスガールで8月の1ヶ月間、全4回のコラムを書かせていただくことになりました。
私のことを知ってくださっている方も、この機会に初めて知ってくださった方も、この連載を通して、少しでも「こんなアイドルがいるんだ」と興味を持っていただけたら嬉しいです。

■「どちらも本気じゃないんじゃない?」
私は普段、会社員としてフルタイムで働きながら、アイドル活動をしています。大学卒業後、IT企業に新卒入社し、そこから転職も経て、今年で社会人11年目になります。
だから平日は仕事を終えてからライブやレッスンへ向かい、少し早めの時間にライブがある日は、早めに退勤した分、別の日に残業をして仕事を終わらせる。そんな生活を、もう何年も続けています。
こういう話をすると、「会社員をしながらアイドルなんて、どちらも本気じゃないんじゃない?」「片手間なんでしょ?」と言われることがあります。
でも、私にとってはどちらも大切な居場所で、たいせつな生き方です。
だからどちらも中途半端にしたくないし、どちらも本気です。
この4回のコラムでは、そんな「二足の草鞋」人生を続ける中で感じたことを、良いことだけではなく、少し苦しかったことも含めて、ありのままに書いていきたいと思います。

■「咲季ちゃんはおじさんにチヤホヤされて喜んでいる」
私は、小学生の頃から芸能・音楽活動をしていました。最初は、浅草・花やしきの少女歌劇団の一期生として、園内のステージやイベントで、歌やダンスを披露していました。

ただ、当時は埼玉の片田舎に住んでいて、周りにそういった芸能活動をしている子はほとんどいませんでした。だから学校では、そのことをなるべく隠していました。
でも、中学生になったある日、クラスで「みんなの名前をインターネットで検索する」という遊びが流行り、私の活動も知られてしまいます。
その後、「咲季(私の本名)ちゃんは、おじさんにチヤホヤされて喜んでいる」「このメールを5人に回してください」と書かれたチェーンメールが学校中に回りました。
後日、そのメールを作ったのが、当時とても仲の良かった女の子だったと分かりました。最終的には、彼女は泣きながら1時間以上電話で謝ってくれて「本当は私も芸能活動がしたくて、羨ましかった」と話してくれました。この出来事は辛かったけれど、
「子どもだったから」
そう思っていました。だから、大人になればこういったことはなくなるだろうと思っていました。
でも、現実は少し違いました。
■「売れない地下アイドルなんだよね?」
大学を卒業して会社員になって、今も続けている『ウイバナ webana.』での活動がはじまってからも、会社の部署のみんなの前で、「売れない地下アイドルなんだよね?」と紹介されたり、「結局いつまで続けるの?」って言われることもありました。
もちろん、悪気があって言っているわけではないときがほとんどなのですが、大人になっても、心がちょっと苦しくなるような言葉に出会うことはあります。
でも、その何倍も嬉しかった出来事があります。
■「会社で一番尊敬しているのは、咲季。(サキマル)だよ」
新卒で入社した会社で、1年目からお世話になっていた事業部長がいました。その方は、私がアイドルをはじめたばかりの頃、まだお客さんが5人もいなかったライブにも来てくれました。
「本当にステージに立ってる姿を見て、びっくりしたよ。これから、両立頑張ってね」
ライブの翌日、そう声をかけてくれたことを、今でも覚えています。
それから何年も活動を続けて、少しずつ仲間が増えて、ちょっとずつファンのみんなが来てくれるようになって。400人以上のファンが集まるワンマンライブも、開催できるようになりました。
そのワンマンライブに、事業部長も来てくれました。
400人を超えるファンの中で、涙ぐみながらステージを見つめる事業部長がいて。
ほんとうに嬉しかった。
ワンマンライブからすこし経ったとき、こう言ってくれました。
「会社で一番尊敬しているのは、咲季。(サキマル)だよ。大人になってから、何かをゼロからつくるのは、本当にパワーがいること。しかもそれを会社員と両立しながらこなしていることに、心から尊敬する」
それから少し経って、私本人にだけではなく、ほかの同僚にも、そのことを言ってまわってくれていたことも知りました。
この言葉は、一生忘れないと思います。
結果だけではなく、会場にお客さんが5人しかいなかった頃から、少しずつ積み重ねてきた“アイドルとしての過程”を、見てくれていた。
アイドルとしてライブを積み重ねていく中でも、目の前の仕事をこなし、会社の期待に少しでも応えようとしてきた“会社員の過程”も、見てくれていた。 会社員として働きながらもアイドルを続けてきた、この時間を、この私の人生を、認めてもらえたような気がして、ほんとうに嬉しかったんです。


