ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。
2026年3月水曜を担当するのは、会心ノ一撃の待雪アイリ!
コラムは今月4日、11日、18日、25日の全4回配信。
記念すべき第1回のお題は、彼女の奇妙な夢の話と、山あり谷ありのプレアイドル時代について。
ちなみに、火〜金曜それぞれ初週はガラスガールNEXTに未加入の読者も閲覧可能。来週以降はぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を。
漫画家を目指してアイドルを志望して……詐欺られる
はじめまして。アイドル10年目になります、待雪アイリと申します。
突然ですが、休日にやりたいことは何かありますか?
気になっている本を買いたいとか、特大のパフェを食べたい、映画を観たい、ライブに行きたい……。
何もしないというのも素敵ですね。
私は、所属しているアイドルグループ『会心ノ一撃』が、現在、【3週連続生誕ワンマン】というまあまあヘビーなスケジュールの真っ只中なので……広い温泉に浸かって凝り固まった身体をゆっくり溶かした後、ソフトクリームを食べながらボーッとしたいです。
生誕イベント用に気合いを入れて貼ったタトゥーシールが思いのほか長持ちするタイプで、あらゆる物でゴシゴシしても落とせなくて困っているのですが、タトゥーシールつけてお風呂屋さんって入れるんですかね……。
さて、今回は初回ということで、私の生い立ちや、アイドルを目指した理由などをお話したいと思います。

私には、小さい頃から「イラストレーターになりたい」という夢がありました。
私にとってのこの夢は「休日に大きなお風呂に浸かりたい」みたいな、日常的なことで……。というのも、両親がどちらもイラストレーターで、“絵を描く”ということをずっと身近に感じながら生きてきたからでした。
絵を描いてもらって、真似して描く。
絵を描くと褒めてもらえるのでどんどん描く。
褒められつつ指導もしてもらえる。
さらに上手になっていく。
学校で賞を取ってまた褒められる……。
絵を好きになるしかない環境で育ちました。
少し成長してみんなが「プリキュアになりたい」とか言わなくなった頃にも、一貫して「イラストレーターになりたい」と言い続け、「夢があってすごいね」と言われたり、時には馬鹿にされたりして、「何でみんなには夢がなくなっちゃったの?」「人生諦めるの早くない?」などと思っていました。
そんなクソガキが、ある時『バクマン。』という漫画家の漫画に出会います。主人公とその友人のコンビが、『週刊少年ジャンプ』での連載やアニメ化を目指して奮闘するこの青春漫画に、見事に影響されました。
「親がイラストレーターだし、絵を描くことが好きだし得意だから、イラストレーターになりたいって思ってたけど、同じ“絵を描く仕事”にも色々あるんだ! 漫画家ってアツくてカッケー!」
読んで熱い気持ちになったまま仕事中の父親に電話をし(迷惑)、「すみません、漫画家になりたいです」と泣きながら伝え、「頑張れよ」と言ってもらい、そこからはずっと漫画家になることが夢です。

では何故アイドルをやっているのか。
「漫画家を目指すと決めたのは良いものの、漫画家を目指している人なんて沢山いるんだから、埋もれてしまう……。自分の名前も売っておいた方が有利に違いない。アイドル好きだし、アイドルオーディションに応募してみよう」
これが、私がアイドルを目指した理由です。
私のことをよく知らない人からしたら、「こいつ大丈夫か……?」と思ってしまうような志望動機でオーディションサイトを開きました。
でもご安心を。私は“超”がつくほどの真面目人間。
収入が不安定なアイドルや漫画家という職業を目指す上での保険として、高校の教員免許も取得しておくという、万全の体制も整えつつアイドルをスタートします。
とはいえ、漫画家になりたいと言った次の瞬間、アイドルオーディションを受けているのだから、親でさえ「こいつ大丈夫か……?」と思っていたでしょうが、それでも「とにかくまあ好きなことやってみなよ」という寛大な理解があったので、かなりのびのびと、“友情・努力・勝利”させていただいております。……ありがたい環境です。
私が初めてアイドルを生で見たのは、高校生の時に友人に誘われて行った「でんぱ組.inc」さんのライブでした。
2階席の、ステージからかなり遠い席で見たのに、キラキラしたアイドルパワーが飛んできて、まるで目の前で見ているかのような感覚に陥ったことをよく覚えています。影響されやすい私は、その時点で「アイドルってかわいくてカッケー! ちょっとやりたいかもー!」となります。
それをきっかけとしてほかのアイドルを見始め、「ゆるめるモ!」さんのライブに行くようになりました。
当時のアイドルは「でんぱ組.inc」さん、「BiS」さん、「BELLRING少女ハート」さん、「ゆるめるモ!」さんなど、かなりマインド的にも働き方的にも体育会系なアイドルが多く目立っていて、音楽性もステージングもキャラクターも個性的で、知れば知るほど“友情・努力・勝利”で漫画っぽい世界にどんどん惹かれ、「自分の名前を売って漫画家になった時に利用する」という名目はありつつ、しっかりとアイドルへの憧れ・尊敬はありました。
アイドルオーディションサイトを開いて、気になるコンセプトのところに応募して、最初に面接を受けたところは不合格でした。理由は「やる気がありすぎるため」。
——そんなことあるんだ。
心当たりはあるんですけどね。
アイドルオーディションの面接とはいえ知らない人と一対一なんて怖いから、面接をしてくれるプロデューサーの素性をネットで調べられるだけ調べてから出向いたら、怖がられてしまいました(個人情報とかではないです!)。
不合格で良かったと思います。
そして「間違えたな〜」と思いながらまたオーディションサイトを見漁っていたら、目を疑うような情報が飛び込んできました。
「でんぱ組.inc」の文字があるではないですか。
「でんぱはメンバー募集してないだろうけど、どういうことだろう?」と思いつつも、恐る恐るページを開いてみると、
「でんぱ組.incの生みの親が作ったグループ!」
とある。
福嶋麻衣子さんが??!!?!
そこで、前回のようにもっと深掘りして調べれば良かったのですが、テンションが上がってしまった私はすぐに応募してしまいました。
結論から言うと、詐欺でした。
そして、オーディションの結果は、合格。
事務所はしっかりしているし、社長の話し方も言っていることも最初は筋が通っていたので安心してしまったのですが、契約金を払い、レッスンはあるものの何も教えてもらえず、嫌味を言われ続け、正規メンバーにはずっとなれず、先輩に「何でこんなブス入れたの?」と言われ、ステージに立たせてもらえないのにチェキは撮る。撮ったチェキは私のお給料にはならず、ステージにようやく1曲出させてもらえる時期も来たけれど、「楽屋に入らないで」と言われたり、交通費ももらえず。勿論、でんぱ組.incとは何の関係もなかったです。
