ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。
本日より8月木曜を担当するのは、東京妄想地図(とうきょうもうそうまっぷ)のさとうがし。
彼女のコラムは今月7日、14日、21日、28日の全4回配信。
8月8日、9日は秋葉原でフリーイベント開催
こんにちは、東京妄想地図のさとうがしです。
このたび、ガラスガールさんのマンスリーアイドルコラムにて、8月4週連続でコラムを執筆させていただくことになりました。このような機会をいただき、大変嬉しく思います。この場を借りてお礼申し上げます。
さて今週のテーマは「さとうがし/東京妄想地図について」。
まず最初にご説明しますと、東京妄想地図(通称:もまっぷ)とは「うたえば、街がたのしくなる。」をコンセプトに、都市の風景、歴史、地形、インフラなどを題材とした楽曲を歌うソロアイドル・プロジェクトです。
高速道路のことを歌ったり、飛び地のことを歌ったり、川崎のことを歌ったりなど、さまざまな題材でたのしく活動しておりますが、とくにトンネルのことを歌ったMV『隧道建設株式会社』はありがたい事に沢山の方に知っていただける機会となりました。
東京妄想地図はそんな街に特化したプロジェクトですが、もちろん、さとうがし自身も街が好きです。とくに「残余地」(土地区画の余白)や「駅もれ」(駅構内の雨漏り、漏水の対策)を生活のなかで探したりしています。
さとうがしは福岡県出身、8月末で26歳になります。18歳まで福岡に居ましたが、進学のため上京しました。
東京に行きたくて、東京の大学を選びました。上京したいちばんの理由は“好きなアーティスト達がみな東京でライブをしていたから”です。
でも、好きなアーティスト達は早々に軒並み解散や実質活休状態になり、当初の目的は意味をなさなくなりました。なんなら自分が活動することになるなんて、18歳のワタシは思いもしませんでした。
ワタシは多額の奨学金を借りアルバイトをして大学生活を送っていた、かなりの貧乏学生でした。
いまでこそ食にしか興味のないワタシですが、当時は頓着がなく、味噌をお湯で溶いただけの具無し味噌汁や友人から貰ったレトルトで飢えを凌ぎ、貧血でよく倒れていました。
ふらふら大学から帰宅していたらひき逃げにあったりもしました。
警察に何色のくるまだったか聞かれて、「白です!」と言いましたが、近くの防犯カメラには黒のくるまにゆっくり轢かれて飛んでいくワタシの映像が残っていました。

貧乏すぎてみじめで周りが羨ましくなるばかりで、大学を辞めることにしました。
そして、これ。


気が滅入っていたワタシは洗濯も回せず、濡れた衣類もそのままにしていたら溶けていました。
貧乏すぎたので家賃4.7万円の6畳もない部屋に住んでいたのですが、ドアは蹴ると開くような粗悪ぶり、インターホンは鳴らない、部屋をどれだけ綺麗にしても虫があまりにも出て虫同士の食物連鎖が起こっていたり、帰宅即同時に4匹ゴキブリが出てきたり(ゴキブリは毎日出るが)、ネズミまで出るような家でした。
お隣さんは外国人のカップルで、毎日カレーの香りをワタシの部屋まで漂わせていました。「お前んとこの外国人が爆音でアジアンミュージックを流しながら家の前で踊っていたぞ」と、近所の飲み友のおじさんに報告されたこともあります。
虫が苦手なので一刻もはやく引っ越したかったけど、貧乏すぎたので引っ越せませんでした。それでも福岡に帰らなかった理由は、意地よりも純粋に東京のほうが楽しかったからかもしれません。
そんな生活のなか急にお誘いをいただき、現在は東京妄想地図として好きなように活動させていただいております。(以下宣伝)

8月8日(金)、9日(土)には秋葉原の書泉ブックタワーさんをハックし、東京妄想地図にまつわる展示とライブをさせていただきます。どちらも入場無料です(ライブは9日のみ)。
さとうがし、そしてもまっぷプロデューサーの石川による選書を並べていただいたりと、本屋さんだから出来る展示も見どころ満載!
そして本日8月7日は、YouTubeにてもまっぷ新アーティスト写真撮影の際の動画が投稿されます。アー写は廃墟写真家のtoshiboさんに、映像はドローンオペレーターのSKYFISHさんに暴風のなか撮っていただきました。もまっぷらしい、そしてお二方らしいかたちになっておりますので是非注目していただけたらなと思います。
いずれも詳しくはXをご参照ください。
今回は「さとうがし/東京妄想地図について」を執筆させていただきました。
次回のテーマは「地下アイドル/音楽について」です。
来週もどうぞさとうがしをよろしくお願いいたします!
文・写真/さとうがし(東京妄想地図)