【マンスリーアイドルコラム No.020】ほくりくアイドル部 松井祐香里 #1「防災士アイドルが語る能登の一年」（1月金曜担当・全4回）

ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場し、フリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。新たに1月金曜の枠を担当するのは、ほくりくアイドル部のキャプテン・松井祐香里。初回は「防災士」の資格を持つ彼女が語る、昨年の能登半島について。

彼女のコラムは本日10日、17日、24日、31日と、全4回配信。

来週以降のコラムはぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を。

“当たり前”の尊さ

　1月は石川県からお届けします！　防災士アイドル、松井祐香里です。

　あれから一年。

　2024年1月1日　能登半島地震

　元旦、みんなが集まってくつろぐ幸せな一時を、大きな揺れが襲いました。自宅に大きな被害はなかったものの、部屋に物が散乱し、グラスが沢山割れました。

　テレビとラジオは震災のニュースで溢れ、余震の度に目が覚めて、SNSで変わり果てた街並みを見ながら不安な日々が続く中、私たちは5日後、チャリティーライブを開催しました。

　たくさんのご意見をいただき、中には厳しい意見もありましたが、メンバー21名全員、“今自分にできる形で、能登の力になりたい”という想いで歌い、たくさんのメンバーが涙しました。

　「ライブ中揺れたらどうしよう？」。そんな不安も抱きながら、防災士として、みんなに簡易トイレや新聞紙を持ってきてもらったり、避難経路を確認したり。普段とまったく違うライブだったので、あの日のことは鮮明に覚えています。やってよかったなぁ、あのライブ。

　その後は外食やイベント、すべてが自粛ムードとなり、石川県だけコロナ禍にタイムスリップしたかと思った。それでも「SNS発信や活動を止めてはいけない！　誰かのために！」と、前向きに防災関連の動画をYouTubeやリールにアップし続けました！

　家があって、電気があって、食べ物があって、お風呂に入れて、トイレもできる。普通の生活だと思っていたけど、この“当たり前”の尊さを感じました。

　そして、少しずつ復旧に向けて走り出したとき。能登を100年に一度の豪雨が襲いました。

　2024年9月21日　能登半島豪雨

　街は泥だらけ。今、能登はどうなっているのか。自分の目で確かめたくて、防災士として伝えたくて、能登へボランティアに行きました。まだ復旧していないガタガタ道で、バスがジェットコースターのように揺れる中、窓から見た景色に唖然としました。

　言葉の出ない光景でしたが、現地の皆さんは生きるため必死に頑張っていました。私たちボランティアも班に分かれ、私は老夫婦のご自宅の泥出しをお手伝いしました！

　やってもやっても終わらない！　腰が痛い！　暑いし喉が渇く!!　果てしない作業に、1日で心が折れそうでしたが、たびたびかけてもらう「本当にありがとうねぇ」という現地の声に、今まで味わったことのない感情を覚えました。

　帰ってきてからすぐ動画を撮って、被災地の状況・ボランティアの行き方や持ち物がわかるYouTube動画をアップしました。これ見てボランティア行った方がたくさんいて、素直に嬉しかったです。

この一年、被災地での復興ライブもたくさんしました！

　一番言っていただけたのはやっぱり「来てくれてありがとね」。能登のおばあちゃんおじいちゃんが、ニコニコしながら私の目を見て言うこのシンプルな言葉に、何度も何度も感動しました。

　こんな素敵な言葉がこの世にあったのか。「能登に元気を届けたい！　何か力になりたい！」と強く感じたし、地元でアイドル活動をしていて良かったとこんなにまで思ったのは、初めてだったかもしれません。

　あれから一年が経ちましたが、復旧復興にはまだまだ時間がかかります。私はもっとニュースで取り上げて欲しいし、全国のみんなに現状を知ってほしいです。

　ほくりくアイドル部は超地元密着型アイドル。音楽には、あの時、あの日の記憶や匂い、感情を蘇らせる不思議な力があります。地元で生まれ育った私たちにしか届けられない“音楽”で、能登の皆さんに寄り添い、これからも自分たちにできる形で、能登を応援していきます。

　読んでくださっている皆さんも、すでにさまざまな形でご支援いただいていると思います。本当にありがとうございます！

　皆さんのお住まいはどこですか？　近くのスーパーで石川県産や能登産の物を購入したり、北陸へ旅行に来てくださることが、復興の力になります。

　ぜひ、北陸、石川県へ遊びに来てください!!　おいしい食べ物いっぱいあるよ★

私は地元が大好きだーーーー！

文・写真／松井祐香里（ほくりくアイドル部）