【マンスリーアイドルコラム No.014・初週無料公開】lyrical school reina #1「言葉を発するということ」（10月金曜担当・全4回）

ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。

10月、新たに金曜担当を務めるのはlyrical school・reina。初回は彼女と「言葉」について。

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我慢してきた日々を取り戻すかのように

物心ついた頃から、わたしは「おとなしくてあまり喋らない子」だった。

そんなわたしが「言葉」について初めて深く考えたのは小学5年生の時だった。

クラスの男子がわたしへ投げかけた何気ない言葉に傷つき、「言葉は人を傷つけるんだ」と肌身を持って感じたのを覚えている。日々を脳天気に過ごしていた小学生のわたしにとって、冷水を浴びせられるような経験だった。

ただでさえ、おとなしくて口数の少なかったわたしは、その日から言葉を発する前に一度踏み止まるようになった。この言葉で誰かを傷つけてしまうかもしれないし、あの男子がしてきたみたいに嘲られるかもしれない。そう思うともう何も言えなくなり、自分の内に留めておくようになった。

大人になるにつれて、必要なコミュニケーションを学ぶようになっても雑談は苦手なままだし、感じたことを話しても「変わってるね」と理解してもらえないことが多く、やはり心の内を言葉にすることは難しかった。

そうやって生きてきた中で、これは大人になってから気がついたことだが、どうやらわたしは人に比べて話すスピードが遅いらしい。自分の考えを言語化することがとても苦手。頭の中で一生懸命言葉を組み立てながら話すけれど、それもよくわからなくなり、うわ〜〜〜となってしまう。

「言葉を発するということ」への向き合い方が変わったのは、2022年の年末から2023年の年始にかけて。lyrical schoolへの加入が大きなきっかけになった。

オーディションに合格し、プロデューサーがわたしreinaの魅力として「話すときにゆったりとした魅力的な間がある」「自分の間を持っていることが素敵」だと褒めてくれた。

「○○が……××で……」というようなわたしの話し方は、きっと初対面の人には変わった人だという印象を与えてしまうのだろうな、普通の人っぽい話し方をしなくちゃ……とコンプレックスに感じていた話し方を褒めてもらえて、これまた衝撃だった。

それに加えて、lyrical schoolのメンバーは他人の言動を絶対に馬鹿にして笑わないし、受け入れてくれる人ばかりだった。小学生のときクラスの男子に心無い言葉を投げかけられた日から今まで、嘲笑されてきた自分が浮かばれるような経験だった。

また、今までで出会った中で一番おしゃべりかつハッピーな人間、メンバーのmanaの影響も大きい。朝から晩までずっと喋っている彼女いわく、「頭で考えるより先に口から言葉が出てくる」らしい。頭でぐるぐる考えていてもなかなか口から出てこないわたしの逆だ、と思った。お喋りで周りをハッピーにしているmanaの側にいると、「もしかして自分はこれまで考えすぎだったのかも」という気づきがあった。

lyrical schoolに入ってからのわたしは、言いたいことがあっても我慢してきた日々を取り戻すかのように、「言葉を発すること」を楽しく感じるようになった。

ありがたいことに、ラジオやトークイベントにも出演させていただけるようになった。reinaちゃんの言葉が好き、と言っていただけることも増えた。言葉でたくさん傷ついてきたし、たくさん心を動かされてきた。今回は、口で音を使って表現する"言葉"について書いたが、こうしたコラムや文字で表現する"言葉"も含めて、大切に大切に紡いでいきたい。

あらためまして、lyrical schoolのreinaです。2023年2月にリリスクに加入しました。リリスクのバックDJとして、ライブではDJをしたり歌ったりしています。世界一かわいくてかっこいいDJを目指しています。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます……！

リリスクは現在全国ツアー中です！　10/14（月・祝)、渋谷Spotify O-WESTにてツアーファイナル！　現体制スタートから約1年半、今のリリスクが最高ですって自信を持って言えるので一度観に来てほしいです！　お待ちしています。

文・写真／reina（lyrical school）